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1993年(平成5年)任天堂ビジネスモデルへのサードパーティの不満

 

・2/21 スターフォックス
・3/12 SFCで伝説のオウガバトル
・3/23 メガドラ2、メガCD2
・4/25 PCエンジンDUO-R
・6/21 SFCでスーパースコープ
・7/2 ワンダーメガ2
・7/10 SFCでストⅡターボ210万本
・7/10 スーパーCD_ROM2で風雲カブキ伝
・8/20 パイオニアからレーザーアクティブ
・9/23 メガCDでソニックCD
・11/15 ソニーとナムコが提携してPSX開発着手
・12/1 ニューファミコン

■2/21 スターフォックス

『スターフォックス』は任天堂から発売されたスーパーファミコン用3Dシューティングゲームです。
(ヨーロッパでのタイトルは『Starwing』)

ロムカセットに搭載されているスーパーFXチップ(三次元描画方面強化回路)により描かれた3D空間を
飛行する自機を操作するスーパーファミコン用ソフト初の3D作品です。

 

3Dグラフィック技術の基礎部分はイギリスのアルゴノートソフトウェアにより開発された技術が任天堂に提供されていました。(同社の名前はエンディングクレジットにも登場します)

登場キャラクターは動物をモチーフにしたもので、主人公のフォックスはキツネ。ハードの性能上表示できるポリゴンの数は限られていましたが、それを逆手にとり幾何学的で無機質な独特の世界観を表現します。

ステージ途中で仲間や敵の通信が入ったり、一部ではステージ中の行動がストーリー分岐を起こすなど、ストーリー性を強調する演出がなされていました。

続編としてスーパーFXチップ2を搭載した『スターフォックス2』の開発が進められていましたが、NINTENDO64の発表・発売があったため『スターフォックス64』の開発プロジェクトに継承されていきます。

キャラクターの年齢など設定や時系列はこの作品で独立しているため、この作品のパラレルワールド的世界観で制作された64版以降の作品とは矛盾や相違点があります。

「システム」
プレイヤーは主人公のフォックスが乗るアーウィンを操作してゲームを進行します。

1つの惑星や宙域が1つのステージとなり、プレイヤーは惑星コーネリアステージから始め、最終的にベノムステージまで辿り着くのが目標です。

コーネリアからベノムまでのルートはレベル1〜3の全部で3つ存在しており、攻略するステージが違う他にそれぞれ難易度も違います(高いレベルほど難易度が高いです)。

同じ名前のステージであっても、ルートが違えばステージ構造は異なります。原則的にレベル1〜2は全6面、レベル3は全7面です。ステージを進めて最後に待ち受けるボスを破壊するとステージクリアとなります。

クリアするとそのステージ全体で出現した敵機のうち何%を撃墜したかが集計され、撃墜率×100がスコアとなり一定のスコアに達するごとにコンティニュー回数が1増えます。

敵の攻撃を受けたり、地形にぶつかったりするとアーウィンのシールド残量が減少します。減ったシールド残量はアイテムを取ることで回復し、ステージクリアによって完全回復します。

シールド残量が0になるとミスとなり、残機が1つ減ります。残機が0の状態でミスをするとゲームオーバー。
ゲームオーバーになった際にコンティニュー回数が残っていれば、そのステージから再開可能です。(コンティニューした場合スコアはリセットされます)

フォックスの他にも3人の仲間が戦線に参加しており、逐一アドバイスなどの通信を送って来ます。時々敵機に追跡されますが、この時は追われている仲間の機体のシールド残量が表示されます。

敵機を撃墜しないと仲間は25%ずつダメージを受け、最後には撃墜されてしまいます。(仲間のシールド回復はできません)

■3/12 伝説のオウガバトル(SFC)

株式会社クエストより発売されたスーパーファミコン用ソフトです。

ジャンル名は「リアルタイムストラテジーシミュレーションRPG」という長い物で、その後はオウガバトルシリーズとして人気を博し、 「タクティクスオウガ」や「オウガバトル64」に続きます。(Wiiのバーチャルコンソールや携帯アプリで配信されています)


企画及びシナリオはプロデューサーとして後にスクウェアでファイナルファンタジータクティクスを手がける松野泰己氏です。

世界観の元となる「オウガバトルサーガ」のプロットは松野氏がが1989年のクエスト入社時に提出したもので、
このソフト自体は1991年の夏から1年半をかけて制作されます。

当初はマニアックな10万人程度のユーザーに受ければ、という狭いターゲット層を狙っていましたが、いざ発売されると40万本も売れてしまいます。

そんなに売れたのなら次のシミュレーションゲームの企画もオウガバトルサーガの世界観を受け継いだ作品にしようと言う事で 「タクティクスオウガ」 として制作されます。

「ゲームの特徴」

システムとしては様々な種族やクラスからチームを編成し、点在する都市を制圧していくリアルタイムシミュレーションゲームで、マップ毎に設定されている敵の防衛拠点を制圧すれば次に進撃できます。

部隊を編成する各ユニットは派遣コストが設定されていて、一日毎に反乱軍の運営資金から差し引かれていきます。この運転資金のやり繰りが重要で、強いユニットを雇う為の資金調達が攻略の鍵となります。

資金は各マップで財宝を手に入れたり、解放した都市からの寄付金で賄われるが、この時に 「カオスフレーム」 と呼ばれる民衆の支持率を表す数値が高いほどより多くの
寄付金を得られます。

逆にフレーム値が低ければ入る寄付金は少なくなり、運営に支障を来たすだけでなく味方になる予定のユニットが入隊してくれなかったり、進軍マップが限定される等のペナルティも発生します。(シナリオも基本的にバッドエンディング一直線に)

このゲームではカオスフレームが低い状態(民衆から支持されない状態)を暗黒道と呼びますが、要はただ戦いに勝つだけで無く、民衆の前であまり戦闘を行わずに卑怯な真似はしない英雄としての振る舞い(都市で戦闘しない・弱い相手ばかりと戦わない)を気取る事が重要になります。

逆に言えば民衆が見ていなければ表向きはプレイヤーは本拠地にいて戦闘に出なくても、戦闘専門の裏部隊(俗に死神部隊と呼ばれています)と市民の目に触れる解放用の英雄でクリーンな部隊を使い分けて自分の正義性をアピールする攻略法が必要なのです。

その戦闘は完全フルオートで、両軍ユニットの動きが速い順に行動して相手を全滅させれば勝利です。行動回数以内に決着がつかない場合は与えたダメージ判定となり、敗者は後退させられます。

戦闘中にプレイヤーが出来るのは攻撃対象ユニットの作戦選択とタロットカードによる特殊効果の発動のみです。

タロットカードとは敵へのダメージ、防壁、ステータス補正等の効果を及ぼすアイテムで、戦況が不利でもタロットの大量投入で戦況を覆せるので使えるカードをいかに確保しておくかが重要です。

ちなみにタイトル元ネタはイギリスのバンド・クイーンの1974年発表のアルバム「クイーンⅡ」のアルバム6曲目オウガバトル(邦題「人食い鬼の闘い」)から。松野プロデューサーがクイーンのファンで、この曲に影響を
受けてゲームの世界感を描き出しました。

■4/23 メガドラ2、メガCD2

メガドライブの廉価版としてメガドライブ2とメガCD2が発売されます。

「メガドライブ2の特徴」
・本体が小型化され、AV端子の形状が変更されてステレオ出力に
・6ボタンパッドが1個付属してメガCDとメガCD2に接続可能
・ヘッドホン端子は削除
・価格は¥12800

「メガCD2の特徴」
・メガドライブ2発売に合せて発売した廉価版
・CD-ROMドライブはトップオープン式になり、開閉は電動から手動式に
・付属の延長アタッチメントと金具の組み合わせで初代メガドライブ+メガCD2、メガドライブ2+初代メガCD
 という組み合わせで動作可能
・価格は¥29800

■3/25 PCエンジンDUO-R

1991年に発売したPCエンジンの姉妹機にあたる家庭用ゲーム機で、1991年当時の小売価格¥59800から¥39800に値下げして発売されました。

本体のカラーリングを黒から白へ変更し、ヘッドフォン端子や持ち運び用のバッテリー端子等を省きました。

PCエンジンの周辺機器であるスーパーCD-ROM2と一体化させた製品で、PSなどその後のCD-ROM搭載ゲーム機の方向性を決定付けたマシンです。1991年に通商産業省のグッドデザイン賞を受賞しました。

CD-ROM機器を内蔵したかわりに周辺機器を接続する端子を削除したため、NECが提唱していたコア構想の事実上終焉を宣言したハードになりました。

翌1994年の6月25日にはこのDuo-Rの本体色を変更して同梱パッドを6ボタンとしたPCエンジンDuo-RXが発売されます。

■6/21 SFCでスーパースコープ

先代のファミコンにあった光線銃シリーズの様な「光線バズーカ砲」シリーズがスーパーファミコンで登場します。

スーパースコープはロケットランチャー型の赤外線式コントローラを肩に担いで画面の標的を撃墜するシューティングゲームです。

まず受信機をテレビの上に置き、スーファミ本体のコネクタ2に接続します。次に付属のスコープホルダーを装着、スコープを覗き込んで照準となります。(単3電池6本必要)

発売当時アメリカで公開された映画「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」の劇中でも使用され、そのシーンがCMで使われました。

また「大乱闘スマッシュブラザーズDX」では攻撃ボタンを短く押すと連射弾、長く押すと溜め弾を発射する武器として登場しています。

■7/2 ワンダーメガ2

マイク端子やMIDI端子も標準装備しカラオケ機能も内蔵。日本ビクターから1992年4月1日に¥82800で発売されたメガドライブとメガCDが一体化したワンダーメガの廉価版として同社から「ワンダーメガ2」が¥59800で発売されます。

外見の特徴として本体が小型・軽量化され、コードレスゲームパッドを標準装備して遊びやすくなっています。
(通常のコントロール端子が背面にあり、有線タイプの 従来のコントロールパッドも使えます)

機能面ではMIDI端子が排除されましたが、本家メガドライブでは拡張機器を接続しないと実現出来なかったS端子とステレオ音声出力端子が標準で本体に装備されて音と映像がセガ製メガドライブよりも優れている所です。
(ヘッドホン端子もノイズが無く音質が良いです)

廉価版とは言えまだまだ高価な印象ですが、拡張された機能を考えるとメガドライバーにとってはすでにメガドラを持っていても買うべき製品と言えます。

しかしまず外すべきだろうと思うカラオケ機能とマイク端子は先代機から残されており、こうした実用性の無い機能を残してくれるのがセガフリークにとっては堪らない魅力(?)でした。

■7/10 SFCでストⅡターボ210万本

主に海外の海賊コピー基板を一掃するために作られたバージョンで、日本での発売予定はなかったそうです。『ゲーメスト』増刊『スーパーストリートファイターⅡ』の開発者コメントには「開発はターボよりスーパーストリートファイターⅡの方が先だった」とあります。

開発は日本で行われましたが、販売は海賊版普及が著しい国外が先でした。一部キャラに新必殺技(春麗の飛び道具など)を追加し、キャラクター間のパワーバランスが調整され最大の特徴としてゲーム全体のスピードが高速化されました。

前作ダッシュのコピー改造基板が出回り始めるのとほぼ同時にターボもリリースされた為、あやしい動きをする
コピー基板を正規品と勘違いして「新バージョン登場!!」なんて看板出して置いているゲームセンターもありました。

そしてコピー品対策とは言え、前作ダッシュの基板を使って作られた必殺技を増やしただけの安易な焼き直しタイトルを「カプコン金儲け主義」 として非難するユーザーも多かったです。

これまで以上に一試合の時間が短縮された事でゲームセンター側からは更に収入効率がUPして歓迎されました。

■7/10 スーパーCD_ROM2で風雲カブキ伝

ハドソンから発売されたPCエンジンスーパーCD-ROM2用ソフト。

和風RPG「天外魔境」シリーズの3作目。前作『天外魔境II 卍MARU』で人気が高かったカブキ団十郎が
主役となり、前作から1年後のジパング(海外からの誤った認識の日本)が舞台の番外編です。

ヒロインの声優に女優の牧瀬里穂を迎え、ゲームにミュージカル要素(ボスキャラが登場時に自分のテーマソングを歌う)を取り入れています。(原作者の広井王子氏は後の作品「サクラ大戦」 でも同様の演出が見られます)

CD-ROMの特性を活かしたアニメーションによる映像表現や声優陣によるセリフといったシリーズの特徴は引き継いでいますが、これまでは「主人公=プレイヤー」をポリシーとしてセリフが少なかった主人公が本作では頻繁にしゃべり、前作まで対面式だった戦闘シーンの視点も変更されました。

過去のシリーズタイトルは大作RPGとして2年以上かけて制作されましたが、本作ではハドソンからの要望で1年で完成させることを目標に外伝として制作された為に、前作と比較するとボリュームは少なめです。
また、前作「天外魔境Ⅱ 卍MARU」の脚本を手がけた桝田省治氏は携わっていません。

■8/20 パイオニアからレーザーアクティブ

パイオニアより発売されたレーザーディスクプレイヤー。

CD、CDV、レーザーディスクの通常のコンパチブルLDプレイヤーの機能に加え、前面に専用パックを取り付けることによりPCエンジンもしくはメガドライブのゲームを遊ぶことが出来ました。

また新規格LD-ROM(LD-ROM2、MEGA-LD)に対応しており、専用ソフトで遊ぶことができる。ゲームソフトばかりではなく当時の流行ワード「マルチメディア」を意識したものが多く、通常の家庭用ゲーム機ではまずリリースできない脱衣麻雀などのアダルト要素のゲームもいくつかリリースされました。

アーケードゲームのLDゲームがいくつか移植され、ゲームセンターそのままの映像クオリティでプレイできる点では支持を得ました。

■9/23 メガCDでソニックCD

『ソニックザヘッジホッグCD』は、セガが発売したメガCD用アクションゲームです。

メガドライブでのソニックシリーズの3作目となり、略称はソニックCD。この作品でエミーローズとメタルソニックが初登場しました。(OP及びEDアニメーションは東映動画が担当)

また1996年8月9日にWindowsでも発売されました。家庭用ゲーム機ではGC・PS2版「ソニックジェムズコレクション」で初めて移植されます。

基本的なゲームシステムは『ソニック2』より後で発売されたゲームでありながら『ソニック1』に近いプレイ感覚やビジュアルを持っています。

これはソニックCDが『ソニック2』の製作には関わらなかった大島直人と『ソニック1』の一部のスタッフが「ソニックCDチーム」の名義で制作したゲームであることが関係していると思われます。

スピンダッシュが『ソニック2』に続いて使用可能ですが、操作性が大きく異なり一定以上溜めるまで動くことができません。一方で方向キー上とジャンプボタンを同時押しすることでその場でダッシュすることができる機能が追加されました。

今作の大きな要素としてタイムワープがあります。(当初、MD版『ソニック2』でも時間移動の概念が組み込まれる予定でした)

ステージにある過去、未来選択マーカーを通過すると、画面左下にマーカーのアイコンが表示されタイムワープ待機状態になり、この状態でソニックがダッシュし続けるとソニックが光りだします。

この状態をキープしているとマーカーが薄くなり、さらに走り続けるとソニックが過去(または未来)へワープします。スピードを落とせばタイムワープが止まり待機状態に戻りますが、マーカーが薄くなった状態でスピードを落とすと待機状態が消えてしまいます。

一度使用したマーカーは裏返って使えなくなるため、タイムワープの回数には制限があります。ワープ後は、同じ場所から再スタートとなります。

ステージには向かい合ったスプリングなど、意図的にタイムワープをするために作られた仕掛けなども多数存在します。これはゲームの難易度と展開を左右する大きな要素です。

また、セーブ機能も初搭載されました。

この機能を使用することで、再プレイ時に前回のステージの続きからプレイできる様になり、さらに一度クリアしたステージは現代の時代のみですが自由に選択してタイムアタックができます。

ちなみにゲーム中3分間程度なにもしない(ボタンを押さない)とソニックが「I'm outta here!」と言って、ステージから飛び降り一気に残機がなくなりゲームオーバーになります。

■11/15 ソニーとナムコが提携してPSX開発着手

ソニーが5年の歳月を掛けて任天堂と交渉してスーパーファミコン用CD_ROMドライブを開発して公に発表。

にも関わらず、任天堂は土壇場になってソニーがその拡張ドライブを発表した同じ会場でソニーではなくフィリップス社と提携してCD_ROMドライブを開発すると発表。

ソニーの面目は丸つぶれになり、ソニーには世界中から嘲笑と繋がる相手のいなくなった拡張CD_ROMドライブだけが残された…という話を以前紹介しました。

任天堂の裏切りと言っても良い行動に対して、ソニーは残った拡張CD_ROMドライブを単体で家庭用TVゲーム機にしようと経験のないTVゲーム市場への参入を決定、開発を開始します。

ゲーム市場初参入のソニーにとってクリアすべき問題は山積みでしたが、中でも

「ゲーム機本体発売日にどれだけ魅力的なソフトを揃えられるか?」

がその後の売り上げを大きく左右するTVゲーム機にとって、ソフトを提供してくれるゲームメーカーのあてが無いのが特に大きな問題でした。

スーパーファミコン擁する任天堂陣営に大半のソフトメーカーが囲われている中で、任天堂に反旗を翻して業界初参入のソニーにゲームを提供してくれるメーカーがあるのか?

そんなソニーに協力を申し出たのはナムコでした。

ナムコは1983年のファミコン発売時に最初期のサードパーティとして任天堂に協力し、当時業務用で大人気だったゼビウスやパックマン、ギャラクシアン等のタイトルを移植してファミコン発売初期の爆発的売り上げに大きく貢献しました。

任天堂もその点を評価し、ナムコを始めとする最初期サードパーティ(ハドソン・ナムコ・タイトー・コナミ・カプコン・ジャレコの6社)には、通常制限される年間販売タイトル数の無制限や任天堂の工場以外でのROMカセット製造許可等の優遇措置を取っていました。

しかしナムコがこの「年間製造タイトル無制限」を逆手にとって任天堂がファミコン参入時に要求するライセンス料を確保出来ないメーカーのタイトルをナムコブランドとして製造・販売する代わりにそのメーカーからライセンス料を徴収するという商売を始めたのです。

※当時ナムコブランドで発売された他メーカータイトル例
・デジタルデビル物語 女神転生、えりかとさとるの夢冒険(アトラス)
・バーガータイム、カルノフ(データイースト)
・スーパーチャイニーズ(カルチャーブレーン)
・クインティ(ゲームフリーク)

「これが拡大したら任天堂に入ってくるはずのライセンス料がどんどんナムコに流れてナムコブランドでファミコンが埋め尽くされてしまう」

さすがに任天堂も自分が考えたライセンスシステムを横取りされるのは堪らないと思ったのか、ナムコの最優待遇を打ち切って他サードパーティと同様の契約を行います。

しかしナムコにしてみれば契約違反も法律違反もしていない訳で「突然優遇措置を剥奪する事こそ違法だ」と裁判沙汰に発展します。結局は任天堂の主張が認められてナムコは要求を飲みますが、この騒動から徐々に両社の関係が悪化します。

その後ナムコは自社製TVゲーム機を開発しますが収益の見込みが立たず開発は途中で中止。ハドソンとNECが共同開発して1987年に発売されたPCエンジンで初期サードパーティとして積極的にタイトルを移植します。

しかしPCエンジンも任天堂の牙城を崩せずシェアは縮小。そうかといって任天堂と元の鞘に収まるのも・・・という時にソニーと任天堂の拡張CD_ROMドライブ騒動が発生したのです。

ナムコにとってソニーは任天堂と良好な関係を築こうとしながら共に任天堂に裏切られた仲間の様に見えたのかもしれません。

こうした経緯を持つソフトのトップメーカーであるナムコからのタイトル提供を受け、ソニーは翌1994年に初の自社製ハード(PlayStation)を発売します。

■12/1 ニューファミコン

針金が折れやすいRF端子からAVコンポジット端子に変更された「AV仕様ファミリーコンピュータ」が¥7000で発売されます。

しかしディスクシステム等の周辺機器もほぼ全て使用でき、従来のファミコンがいいかげん古くなって来た所に赤白黄色のコンポジット端子に変わって扱い易くなった事で過去のカセット資産をずっとプレイしたいレトロゲーマーから歓迎されます。

「旧型機からの主な変更点」

・従来のファミコンのが流用可能という事でACアダプターは付属せず

・Ⅱコントローラのマイク機能削除

・AVケーブルはスーパーファミコンの物を流用可能

・コントローラや AV ケーブルなど旧型機に使用出来ないAV仕様
 ファミリーコンピュータ専用機器には「NEW FF」マークが付けられた

・カセット挿入部の蓋が自動開閉(旧型機のカセットイジェクタ機構は削除)

・コントローラが本体から取り外しが可能となり1P/2Pコントローラの区別がなくなった。

このAV仕様ファミリーコンピュータは、後継機であるスーパーファミコンの廉価機「スーパーファミコンジュニア」と共に2003年9月まで製造出荷されます。

AV仕様ファミコンは人気の割に生産台数が少なかった事から、中古市場では高値で取引されています。

次世代機と同じタイミングまで本体が生産され続けるゲーム機なんてファミコンが最初で最後ではないでしょうか?ファミコンがいかに皆に親しまれたハードだったのかを改めて思い知らされます。

製造が終了した2003年には恵比寿でファミコン20年の歴史を辿る「レベルX」 という展覧会が行われました。

そこには発売されたファミコンカセット全タイトルが並び、各種周辺機器やドラクエの攻略情報を掲載した1980年代の週刊少年ジャンプ、メタルギアやカプセルモンスター(後のポケモン)の企画書や設定資料が展示されました。

更に会場ではマリオの宮本茂氏とパックマンの岩谷徹氏の対談や高橋名人の模範プレイ等が披露され、当時夢中になって遊んだ元ファミコン少年達には思い出話の尽きないイベントになりました。

「この年のヒットタイトル」
・スーパーマリオコレクション  212万本
・ストリートファイターⅡターボ 210万本
・スーパーぷよぷよ       170万本
・聖剣伝説2          150万本
・ドラゴンボール超武闘伝    145万本
・ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ    120万本
・カービィのピンボール     112万本

「この年発売された主なゲーム」
・スターフォックス       
・伝説のオウガバトル      
・トルネコの大冒険不思議のダンジョン
・Pop’nツインビー
・キャプテン翼Ⅳ ~プロのライバルたち~
・ブレスオブファイア
・スーパーボンバーマン
・ファイナルファイト2
・ヨッシーのクッキー
・摩陀羅2
・第3次スーパーロボット対戦
・美少女戦士セーラームーン
・アクトレイザー2


1993年(平成5年)主な出来事 (大卒初任給190300円)

『一般』
・大相撲の曙が初の外国人横綱に昇進
・サッカーワールドカップ最終予選、勝てば初の予選突破のロスタイムでイラクに
 得点され出場を逃す。深夜2時の生中継で視聴率48%を記録 (ドーハの悲劇)
・サッカー国内プロリーグ 「Jリーグ」 スタート
・ボディコンで扇子を振りながら踊るジュリアナ東京ブーム
・ブルセラショップ大流行(すぐに摘発)
・欧州連合(EU)発足
・東京湾にレインボーブリッジ開通
・Windows3.1発売。パソコンの操作がコマンドベースからGUIへ変化

『ヒット曲』
 ・ロード、負けないで、島唄、ロマンスの神様、YAH YAH YAH、エロティカセブン

『流行語』
 ・規制緩和、聞いてないよ~、インターネット、コギャル、不良債権

『この年連載開始の漫画』
 ・とっても!ラッキーマン(ガモウひろし)「週刊少年ジャンプ」 
 ・地獄先生ぬ~べ~(作:真倉翔、画:岡野剛)「週刊少年ジャンプ」 

『TV番組』
(ドラマ・バラエティ)
・家族の物語        ・正しい結婚        ・いつか好きだと言って
・ジェラシー        ・家栽の人         ・はだかの刑事
・包丁いっぽん       ・愛するということ     ・高校教師
・いちご白書        ・あの日に帰りたい     ・ホテルドクター
・振り返れば奴がいる    ・白鳥麗子でございます   ・ララバイ刑事'93
・丘の上の向日葵      ・ツインズ教師       ・ひとつ屋根の下
・素晴らしきかな人生    ・イエローカード      ・わたしってブスだったの?
・ポケベルが鳴らなくて   ・嵐の中の愛のように    ・炎立つ
・課長サンの厄年      ・湘南女子寮物語      ・じゃじゃ馬ならし

『アニメ・ドラマ』
・熱血最強ゴウザウラー    ・機動戦士Vガンダム      ・忍たま乱太郎
・餓狼伝説2         ・SLAM DUNK       ・蒼き伝説シュート
・竜虎の拳          ・ミラクル☆ガールズ      ・無責任艦長タイラー
・疾風!アイアンリーガー   ・剣勇伝説YAIBA      ・忍たま乱太郎
・しましまとらのしまじろう  ・ジャングルの王者ターちゃん  ・ナンとジョー先生
・家裁の人  ・高校教師   ・白鳥麗子でございます     ・振り返れば奴がいる
・五星戦隊ダイレンジャー    ・特捜ロボジャンパーソン    ・料理の鉄人

 

 

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